海外旅行でフライトが欠航になったのでクレカ付帯の海外旅行保険を利用してみた〜出国前の準備から帰国後の保険金請求までの流れ

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はじめに

海外旅行中に搭乗予定のフライトが欠航や遅延になると、次のフライトまでの宿泊代や食事代が必要以上に掛かってきます。
こんな時に役立つのがクレカに付帯する海外旅行保険です。

私自身、今回マカオ旅行で人生初の「フライト欠航」を経験しましたが、クレカ付帯の海外旅行保険を利用して宿泊代、食事代の大部分を保険で賄うことができました。


ただし、その海外旅行保険も所持するクレカによって補償内容が異なり、補償を受けるための条件も異なります。旅先で慌てないためにもしっかりと補償内容、利用条件を確認した上で旅行に臨みたいものですね。

「備えあれば憂いなし」

「出掛ける時は忘れずに」→ かなり古い?(笑)

本記事では、旅行前の事前準備から帰国後の保険申請手続きまで経験したことを踏まえ紹介していきます。

出国前の事前準備

台風情報のチェック

まず今回の旅程ですが、2025年9月21日から3泊4日で目的地はマカオです。(マカオは10数年ぶりの旅行)

この時期は台風が多く発生するため台風情報はこまめにチェックしておりましたが、出発3日前の9月18日に台風18号(ラガサ)がフィリピン東沖で発生、その後の進路予想によると香港・マカオに9月24日に接近するとの情報。

台風進路上の右側は暴風域になることが多いので、出国前の時点で「フライトは欠航になるだろうな」と心の準備をします。

クレカに付帯する海外旅行傷害保険の補償内容と適用条件を確認する

まず、所持するクレカの中で海外旅行傷害保険の「航空機遅延」に関連する費用を補償してくれるクレカを洗い出しました。その結果、私の場合は以下の三つのクレカの海外旅行傷害保険が使えることが分かりました。

所持するクレカの中で航空機遅延補償が付帯するカードと補償規定

上記補償規定は2025年9月時点のものです。

補償内容・適用条件は予告なく変更される可能性がありますのでご了承ください。

次に、各カードの付帯条件、補償内容・金額を整理しておきます。このように一覧でまとめておくと、いざと言うとき慌てず行動できるのでお勧めです。


尚、今回は欠航に対する補償ですので、「出発遅延・欠航・搭乗不能費用」の行をハイライトしました。

セゾンゴールド・
アメリカン・エキスプレス
ヒルトン オナーズ・
アメリカン・エキスプレス・
プレミアム
住信SBIネット銀行
プラチナデビット

d NEO BANK
付帯条件利用付帯利用付帯自動付帯
会員種別本会員家族特約本会員家族特約本会員家族特約
乗継遅延費用3万円3万円2万円補償なし2万円2万円
出発遅延・欠航・
搭乗不能費用
3万円3万円2万円補償なし1万円1万円
寄託手荷物
遅延費用 
10万円10万円2万円補償なし1万円1万円
寄託手荷物
紛失費用 
10万円10万円4万円補償なし2万円2万円
引受保険会社損害保険ジャパン損害保険ジャパン三井住友海上火災保険

ここで押さえておくポイントとしては付帯条件、補償金額、補償内容の三つです。

まず付帯条件ですが「利用付帯」と「自動付帯」に分かれます。
「利用付帯」は航空券やパッケージツアー、新幹線、リムジンバスなどの費用をカード決済していれば条件を満たします。詳細については、カード会社の補償規定をご確認ください。

例として、セゾン ゴールド・アメリカン・エキスプレスの海外旅行傷害保険適用条件(利用付帯)を引用します。

カードに付帯する海外旅行傷害保険における「旅行期間」とは、海外旅行を目的に日本国内のご住居を出発された時からご住居にお戻りになるまでの間で、かつ、日本を出国する前日の午前0時から日本に入国した翌日の午後12時(24時)までの間とし、日本を出国した日から90日後の午後12時(24時)までを限度とします。

日本出国前に、補償対象となる本会員およびご家族が、この旅行で自身が乗客として利用する航空機などの「公共交通乗用具」※1の料金や、参加する「募集型企画旅行」※2の料金をこのカードでお支払いになった場合、それ以降の旅行期間で保険が適用されます。

また、日本国内で前述のカード決済がなくても、日本出国後、補償対象となる本会員およびご家族が、この旅行で自身が乗客として利用する航空機などの「公共交通乗用具」※1(それに準ずる海外の公共交通機関を含む)の料金をこのカードでお支払いになった場合、その料金を初めて決済した時から上記旅行期間終了までの間保険が適用されます。

※1 この保険における公共交通乗用具とは、航空法、鉄道事業法、海上運送法、道路運送法等に基づき、それぞれの事業を行う機関によって運行される航空機、電車、船舶、バス、タクシー等をいいます。以下のものは公共交通乗用具のチケット料金となりません。

プリペイドカード・回数券・定期券購入費、空港使用料、航空券の発券手数料、航空券の消費税、ラウンジ利用料 など

※2 募集型企画旅行とは、あらかじめ旅行の日程・交通手段・宿泊施設・旅行代金が旅行会社により決められており、参加者を募集する形態の旅行(平成16年12月16日国土交通省告示第1593号の標準旅行業約款に規定するもの)をいい、会社の慰安旅行や業務出張等あらかじめ参加者が決定している旅行は募集型企画旅行とはなりません。

セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス®・カード 海外旅行傷害保険規定
https://www.saisoncard.co.jp/pdf/futai_hoken/amex_gold.pdf


一方で、事前旅行費用のカード決済を必要としないのが「自動付帯」になります。クレカを所持しているだけで保険適用できるので利便性は上がりますが、一部のプラチナカードに付帯するため年会費が高額になってしまいます。

最近のクレカ業界の傾向として、自動付帯から利用付帯へ変更(改悪)する動きが顕著になってきておりますので、ご自身のクレカがどちらの付帯条件であるか、補償内容はどのようなものかしっかりと確認しておいてください。

利用付帯条件のクレカで旅行関連の支出を決済しておく

次に「利用付帯」のクレカに関して、旅行に関連する支出を決済します。

参考として、セゾンゴールドアメックスとヒルトンアメックスプレミアムにおける保険対象となるカード決済例と保険対象とならないカード決済例を記載しました。

「タクシー」決済において違いが見られます。このように、同じ利用付帯のカード決済であっても、カード会社によって対象となる決済と対象外となる決済がありますので注意が必要です。

カード決済例セゾンゴールド・
アメリカン・エキスプレス
ヒルトン オナーズ・
アメリカン・エキスプレス・
プレミアム
パッケージツアー✔️✔️
航空券✔️✔️
新幹線✔️✔️
リムジンバス✔️✔️
電車(普通運賃&特急券)✔️✔️
タクシー✔️
ホテル宿泊代
レンタカー
回数券購入費
空港使用料

ちなみに私のケースで言いますと、

セゾンゴールドアメックスでは、関空に向かう途中に南海電鉄の特急券「ラピート」片道二名分で利用し、

ヒルトンアメックスプレミアムでは、マカオ航空の航空券片道二名分をHISより購入・決済しました。

欠航時に宿泊費を補償するクレカは希少

欠航時の補償として、どの支出に対して補償してくれるのかも押さえておく必要があるため下記に整理しました。

こうして並べてみるとクレカによって補償のカバー範囲、補償金額が異なるのがよく分かりますね。

と言うより、セゾンゴールドアメックスの補償金額、カバー範囲が他のクレカと比較し秀逸ですね。セゾンゴールドアメックスは年1回1円以上利用で実質年会費無料のクレカでありながら、他のプラチナ級カードの補償を上回っているのは素晴らしいですね。

セゾンゴールド・
アメリカン・エキスプレス
ヒルトン オナーズ・
アメリカン・エキスプレス・
プレミアム
住信SBIネット銀行
プラチナデビット

d NEO BANK
付帯条件利用付帯利用付帯自動付帯
会員種別本会員家族特約本会員本会員家族特約
乗継遅延費用3万円3万円2万円2万円2万円
乗継遅延で
補償する支出
宿泊費
食事代

交通費
通信費
宿泊費
食事代
宿泊費
食事代
出発遅延、欠航、
搭乗不能費用
3万円3万円2万円1万円1万円
出発遅延、欠航、搭乗不能で補償する支出宿泊費
食事代
交通費
通信費
食事代食事代
寄託手荷物
遅延費用 
10万円10万円2万円1万円1万円
手荷物遅延で
補償する支出
衣類及び
生活必需品購入費
衣類及び
生活必需品購入費
衣類及び
生活必需品購入費
寄託手荷物
紛失費用 
10万円10万円4万円2万円2万円
手荷物遅延で
補償する支出
衣類及び
生活必需品購入費
衣類及び
生活必需品購入費
衣類及び
生活必需品購入費

いわゆるプラチナカードで出発遅延・欠航・搭乗不能費用の補償内容と金額を調べてみました。
10万円を超える年会費なのだから補償は厚めかと思いきや現実はそう甘くなく、この中ではダイナースクラブプレミアムカードだけが宿泊代の補償がありました。

アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード:食事代のみ3万円まで
ラグジュアリーカード(チタン、ブラック、ゴールド、ブラックダイヤモンド):食事代のみ2万円まで
ダイナースクラブ プレミアムカード:宿泊代3万円まで、交通費1万円まで、食事代5千円までのいずれか高い金額

JCB ザ・クラス::食事代のみ2万円まで

旅行(延泊)中に現地で実施すること

振替便の手配・調整

航空会社からの欠航確定連絡が届いたら、次にすべきことは振替便を確定させることです。

私のケースではキャセイのアプリ上で確認できた振替便の日付は10月1日でした。
当初の帰国便9月24日からすると7日後です。仕事もありますのでそんなに現地に留まるわけにはいきません。
キャセイのカスタマーセンター(日本)に電話を掛け、全力で振替便の前倒し調整をします。

といっても日本側のキャセイ・カスタマセンターは平日のみの営業で休日明けのこの日は電話がなかなか繋がりません。


2.5時間ほど保留音を聞いたでしょうか。ようやく担当者と会話でき2名分の前倒し希望を伝え空席を探していただきました。
最終的に落ち着いた振替便は9月27日で確定。

当初予定からすると3日後の帰国となりました。

海外から日本への国際電話は、楽天モバイルの利用で無料なので、1回線持っておくと便利ですよ。
何時間も国際電話を掛けていると高額請求されるのでは?と不安になりますが、楽天モバイルアプリからの発信は無料になりますのでご安心ください。

保険会社への連絡

これは必須ではありませんが、海外にいる間に保険会社に一次連絡しておくと良いでしょう。所持するクレカの会員番号と会員本人であることを確認したのち、出国日、フライト遅延理由、当初帰国予定日と最終的な帰国予定日を担当者に伝えます。
(申告内容は記録され帰国後の正式連絡の際にも情報連携されて手続きがスムーズになる効果もありました)

そうすると、保険でカバーできる範囲(宿泊代、食事代、交通費など)と金額を教えていただきました。これは非常に有益な情報でした。というのも、保険対象者の「家族特約」の存在をここで初めて認識したのです。

家族特約により、私(本会員)と家内(家族特約)の二名が被保険者となり、出発遅延の補償金額は、3万円+3万円の計6万円以内の実費になるとのことでした。この情報を得たことで延泊期間中の滞在予算が明確になり、ホテルをどうするか、食事はどこで摂るかなどを決める際の判断基準にしました。

家族特約の被保険者の範囲は、本会員の配偶者、本会員または配偶者と生計をともにする同居の親族、本会員または配偶者と生計をともにする別居の未婚のお子様です。


セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス®・カード 海外旅行傷害保険規定
https://www.saisoncard.co.jp/pdf/futai_hoken/amex_gold.pdf

航空会社の欠航証明を申請

航空機遅延費用を保険会社への申請する際に、航空会社発行の遅延証明書類が必要になります。

航空会社のホームページから欠航証明の申請を実施します。私のケースでは申請後4週間でメールが届くとのことでしたが、実際には17日後にメールを受領しました。
なお、保険会社への申請手続きは、航空会社から受領したフライトキャンセルメールで一旦手続きは進められ、その後、上記「欠航証明」を受領したのち差し替え提出しました。

延泊期間のホテル手配

延泊期間に応じたホテルを予約します。上述の保険会社からの補償金も予算に組み込んで計画してください。保険会社に請求するからといって安価なホテルに移動する必要なんてありません。延泊するのも何かの縁です。現地での滞在を楽しみましょう。

ちなみに私のケースはこんな感じで過ごしました。Day4から延泊が必要となり、Day4とDay6の2泊が保険適用、Day5の1泊は所持していたポイントを利用しています。

旅程宿泊先保険適用の有無
Day1W MACAU – STUDIO CITY
Day2W MACAU – STUDIO CITY
Day3The Okura Macau
Day4(延泊1泊目)The Okura Macau保険適用:出発遅延、欠航、搭乗不能
Day5(延泊2泊目)The Okura Macau保険未適用:ポイント泊のため
Day6(延泊3泊目)Conrad Macau保険適用:出発遅延、欠航、搭乗不能

支出を証明するための領収書を取得

宿泊代、食事代、交通費など支出を証明する書類としてレシートを取得します。


レシート類はスマホで写真を撮っておきます。(LINEやメールでの提出が可能なため)

また、クレカで支払いをした場合はカード会社から請求が上がってきたら明細をスクショしておきます。(クレカ払いの場合は請求明細の為替レートに基づいて算出された金額が保険金額となります)

帰国後の保険会社への保険金請求手続き

帰国したら保険会社(損保ジャパン)に保険金請求書の手続きのための連絡をします。私のケースでは一週間ほどで申請書類が自宅に届きました。

保険申請書の記載と返送

申請書は下記の海外旅行傷害保険申請書と航空機遅延申告書の二種類です。家族特約の被保険者がいる場合はそれぞれ記載し返送します。

下記にも記載しましたが、クレカ付帯の保険金を請求する際は、クレカ毎に申請をする必要はなく、1社に申請すれば裏側で他の保険会社と連携し保険金支払いまで一気通貫で行けるのですね。知りませんでした。

保険金請求に必要となる申請書
  • 海外旅行傷害保険保険金申請書
    • 保険金請求者の情報:氏名、住所、連絡先情報、クレジットカード名、出国日、帰国日
    • クレジットカード付帯保険を利用するクレジットカード番号と会社名
      所持するクレカで保険を利用する、もしくは利用可能性があるすべてのクレジットカード番号を記載します。
      (私の場合セゾンゴールドアメックス、ヒルトンアメックスプレミアム、住信SBIプラチナデビットの三つ)

      こうすることで、複数のカード会社に保険請求がまたがった時でも保険金請求申請は一回のみで済み、保険会社の代表幹事1社が他の保険会社と連携して手続きしてくれます。
    • 事故の状況:飛行機が遅延し延泊に至った理由を記載
  • 航空機遅延申告書
    • 支出した明細(食事代、交通費、宿泊費、国際電話通信費、旅行サービス取消料):該当する支出明細に対し、利用日、支出金額、通貨、店名・目的を記載
      →当然ながら請求できる支出は遅延によって発生した費用のみが対象になります。

支出明細の提出はLINEが便利

各種レシートは郵送でもいいのですが、今どきですのでLINEでの提出が簡単・便利でした。

上記申請書の記載においても不明点・疑問点など出てきたら、担当者とチャットで確認した上でアクションするため手戻りがなくスムーズに事が進んだと思います。保険金額についてもLINEのコミュニケーションの中で教えていただきました。

保険会社から指定口座へ入金

申請書を投函してから一週間で指定銀行口座に保険金が入金されました。想定していたよりも早かったですね。

今回の航空機欠航にまつわる保険金としては、宿泊代(二泊分)、食事代、交通費の合計8万円弱となりました。

最後に

海外旅行先でフライトが欠航したため、クレカに付帯する海外旅行傷害保険の「航空機遅延費用等」で保険金を請求してみました。

クレカ付帯の海外旅行保険は時間の経過とともにサービス内容が変わっていきますので、旅行前にはサービス内容の確認を怠らないようにし、所持するクレカの補償内容を把握、整理しておくことが重要です。

それから実際に保険手続きをしてみて初めて認識することとなった家族特約の存在も我が家にはありがたく、今後の旅行に活用するのはもちろんのこと、クレカのラインナップを検討する上でも重視したいチェック項目となりそうです。

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